【大阪大学 和文英訳/英作文】大学過去問シリーズ 大阪大学2023年度英語 第四問(A)

大阪大学
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大学過去問解説シリーズ!

今回は大阪大学 2023年度 全学部英語の解答・解説です。

1(A)の解説はこちら、1(B)の解説はこちら、4(B)(イ)の解説はこちらです。

本記事では、大学の過去問を使って解き方や考え方、要点を伝えています!
2次試験直前期の皆さんも本記事を読んで試験当日までラストスパート頑張りましょう!

和文英訳の攻略法

まずは、和文英訳問題共通して気をつけるべきポイントを2つ紹介します!

1.本文全体の意味を理解した上で下線部を訳す
2.そのまま訳そうとせず、下線部が伝えたい内容を汲み取って適切な表現に直す

どうしても日本語の単語一つ一つを英単語に訳そうとしてしまいがちですが、そうすると不自然な英文になってしまいます。上記の2点に気をつけていきましょう。

大阪大学和文英訳過去問

Ⅳ 次の日本文(A)と(B)のそれぞれの下線部の意味を英語で表しなさい。ただし、(B)では文学部の志願者は(イ)を、文学部以外の志願者は(ロ)を選んで解答しなさい。

(A) (すべての学部の志願者)
「私たちはなぜわかり合えないか」ではなく「私たちはなぜわかり合えるのか」と問うことにより、外見の違いの裏にある共通性が浮かび上がってきます。
共通性に気づくことは、違いを認める心の余裕を生むはずです。世界の人々が「どう違うか」ばかりに目を奪われるのではなく、私たちはみな、かつて同じ長い歴史を共有してきた兄弟姉妹である事実に目を向け、だから「私たちは潜在的にわかり合える」という信念を持つべきでしょう。
(海部陽介. 2022. 『人間らしさとは何か 生きる意味をさぐる人類学講義』河出書房新社 より一部改変)

本文全体の流れを捉えましょう。外見の裏に潜む共通点を考えれば、分かり合えない点ではなくわかり合える部分を探すことができるという文脈です。このことを念頭に入れて訳出しましょう。

実際に大阪大学が出している出題意図には「とりわけ、息の長い日本語の文を明確で自然な英語にするために必要な語彙力・文法力・そして文構造に注意を払いつつ論理的な英文を組み立てる力を評価する」とあり、英文の自然さも評価の対象になっていることがわかります。

実際の問題箇所

第一文(和文)
共通性に気づくことは、違いを認める心の余裕を生むはずです。

①共通性とは、“外見の違いの裏にある共通性”のことです。simiralityと一語で表現することもできますし、外見ではなく中身であることを明示したければwhat we have in commonなどとするとより良いでしょう。気づくの部分も、”本来あったものを再認識する“というニュアンスですので、recognizeが最も良い訳語だと思います。findやrealizeなども幅広く許容されると思われます。一方でnoticeは”五感を通じて気づく”場合に用いるためここでは不適です。

②違いというのは外見上の違いのことですね。differeceと一語で表現するのがベストでしょう。ここでの「認める」は「受け入れる」に近い意味ですのでacceptを用いるべきでしょう。問題は「心の余裕を生む」の部分ですが、generate mental roomと日本語を一つ一つ英語に訳しただけでは英語において不自然な表現になります。この部分は「十分な寛容さを持つことができる」と読み替えて表現すると良いでしょう。

③文全体の構成ですが、動名詞を用いて無生物主語の文として書くのもよし、一般人称のyou(we)を立てて書くのも良しです。

(英訳)
1.Recognizing our similarities will enable us to become generous enough to accept our differences.
2. By realizing what we have in common
, we wii be able to become generous enough to accept our differences.
第二文(和文)
世界の人々が「どう違うか」ばかりに目を奪われるのではなく、私たちはみな、かつて同じ長い歴史を共有してきた兄弟姉妹である事実に目を向け、だから「私たちは潜在的にわかり合える」という信念を持つべきでしょう。

まずこの文の構造が、
[世界の人々が「どう違うか」ばかりに目を奪われるのではなく、]
[
私たちはみな、かつて同じ長い歴史を共有してきた兄弟姉妹である事実に目を向け、だから「私たちは潜在的にわかり合える」という信念を持つべきでしょう。]
という構造になっていることを見抜きましょう。

①「〜ではなく〜」という形を見るとnot A but Bを用いて書きたくなりますね。その場合、やや長い文になります。instead ofという前置詞を用いると短く表現できます。

②世界の人々が「どう違うか」→”how different” people around the world are/”how” people around the world differ 鍵かっこの位置的に一つ目の表現の方がベターです。

〜ばかりに目を奪われる→”目を奪われる”をそのまま訳すと英語として不自然です。ここは意味としては、”そればかりに集中してしまう”ということなのでfocus only on ~と表現しましょう。

④私たちは皆、「事実に目を向けるべき」「信念を持つべき」の並列になっています。
事実に目を向けるべき→should pay attention to the fact that~/look at the fact that~
信念を持つべき→should have the faith that~

⑤「かつて長い歴史を共有してきた兄弟姉妹であるという事実」というのは、「人類である以上、今は違いがあれど人類として誕生してから数億年は同じ人類として兄弟姉妹のような関係で長い歴史を共有してきた」というニュアンスです。we are all like siblings and we once shared a long history などと訳すと良いでしょう。

この文章において「兄弟姉妹」という表現は、特徴的な表現で著者が意図を持って使用している語句です。何かしらの方法で訳出するように心がけましょう

⑥ “だから”ですが、これをsoと訳してはいけません!「〜という事実に目を向けること」と「〜と言う信念を持つこと」の間に因果関係はありますか?因果関係と言うよりも、この二つは並列に近く「〜という事実に目を向けて、その上〜と言う信念を持つこと」というニュアンスです。したがって接続詞はandが適当で、and thusなどとすると良いでしょう。もしくは分詞構文で表現するのも濁す方法としては良いかもしれません。

⑦私たちは潜在的にわかり合える→we have a potential to understand each other/we potentially understand each other

(英訳)
1. Instead of focusing only on how different” people around the world are, we should pay attention to the fact that we are all like siblings and we once shared a long history and thus we should have the faith that we have a potential to understand each other.
2.We shouldn’t
 focus only on how different” people around the world are but we should look at the fact that we are all like siblings, who once shared a long history, having  the faith that we potentially understand each other.

和文英訳 解答例

Recognizing our similarities will enable us to become generous enough to accept our differences. Instead of focusing only on how different” people around the world are, we should pay attention to the fact that we are all like siblings and we once shared a long history and thus we should have the faith that we have a potential to understand each other. 

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